PROJECT 情報連携プロジェクト

2022年12月テーマ

   

今年のチャレンジについて

2022年を振り返ってみて、次のことを伺いました。

地域ネットワーク団体として、「初めて連携した組織」 はありますか?また、その組織との今年最も印象に残った事例を教えてください。(市区町村域地域ネットワーク団体、行政・企業・医療・学校・スポーツ・文化ほか横断的な組織連携を含む)

  • まだ関係性ができたばかりですが、県スクールソーシャルワーカーの一人とのつながりができました。それを広げて、こども食堂とスクールソーシャルワーカーとの接点をさらに広げていこうと、県と協議しているところです。
  • 初めて連携したのは地元の企業と「こども食堂フェスタ」を行ったことです。コロナ禍の中参加人数がよめず、250食の食事やゲームを用意していたが700人を超えた参加人数があり、十分なもてなしができず、冷や汗をかきました。
  • ある企業と寄付型自動販売機の企画を進めて、パッケージデザインや自動販売機の機能拡張について新たな試みが出来たことです。既に設置も進んでおり県内に3台のこども食堂自販機が設置されました。
  • 県・企業など
  • 行政の担当部局を訪ねました。行政が主眼とするのは「貧困対策事業」であるため、当ネットワーク加盟団体が展開する居場所作り・地域作りの局面の多い団体への支援は今までで考えていただけませんでした。しかしネットワーク加盟団体が増えたことで、これまでにない前向きなお話が聞けました。各こども食堂の細かな実情については当ネットワークのほうが持っていると思うので情報交換、協働していけると嬉しいと話しました。
  • 個人の方から500万円の遺贈寄付がありました。昨今、寄付先はいくらでもあるだろうところに「こどもたちに」と考えていただいたのが嬉しいです。メディア等を通じ、「こども食堂」というワードを耳にしていただいた結果だと思います。
  • まだまだそこまで進んでいないのが実情です。各こども食堂の運営で手一杯、といったところでしょうか…
  • 連携の捉え方が難しいが、地元新聞社のこども食堂開設に伴い、ネットワークの情報が定期的に掲載されるようになった。
  • ライオンズクラブの名誉会員になり、軽車両を寄付してもらったこと。
  • これまでできていなかった、県内の市町行政との連携が進んだこと。開催した「こどもの居場所と行政の交流会」には20市町のうち16市町が参加してくれたことが印象的でした。(前年度は1市のみ)
  • 行政、青年会議所(連携協定を結んでいます)
  • 行政、県社協の2組織とは以前から連携はありますが、担当課と協働でアンケート調査や、県社協とヤングケアラーに関するセミナーを開催予定です。
  • 県、市町村、社協、企業など多様な主体との連携を図りながら、こども食堂への支援方策について検討を行っている段階です。

 


地域ネットワーク団体として、「他組織と連携して一緒に初挑戦したこと」はありますか? 今年最も印象に残った事例を教えてください。(市区町村域地域ネットワーク団体、行政・企業・医療・学校・スポーツ・文化ほか横断的な組織連携を含む)

  • 今年初めて、とは言いづらいですが、県の生涯学習センターとの連携は、今年度さらに深まりました。県西と県南の各センターとつながり、先方主催のこどもの居場所づくりを学びあう連続セミナーをそれぞれ開催しています。初回にこちらで概論を伝え、第2、3回に実際に運営している団体の活動事例を学び、第4回に具体的なワークシートを使ってこども食堂設立につなげていく試みです。県南の生涯学習センターとは今年度初めてつながりました。また、昨年度初めて開催した際、受講生だった方がご自身でこども食堂を設立され、今年度は事例紹介者(登壇者)として見事な活動事例をご紹介いただきました。循環の輪が広がっています。
  • 今年より県と連携して、こども食堂未設置地域やこども食堂未設置小学校区に補助金を渡すことになったが、他にも助成金がありなかなか進まない。県のネットワークからの魚の寄贈は何度受けてもこども食堂スタッフが喜び、ありがたかったです。また、むすびえからのこども食堂スタッフに向けた防災教育の実習がよかったです。
  • 県から委嘱を受けた、こども食堂コーディネーターと実質的に連携を本格化した。
  • JA(農協)と地域行政とこども食堂ネットワークが連携して、食農体験を実施しているところです。種まきから収穫までの連続的な企画で全3回で構成されています。内容は、農家さんの指導のもと農業体験をしてもらい、作業の後にこども食堂が豚汁やカレーなどを提供して、みんなで一緒に食べましょうという企画です。現時点で2回目まで終わり、残るは収穫です。今回の企画で画期的なのは、JAが食材の提供だけでなく「体験」をこども食堂と組み始めたことです。今回のトライアルがうまくいけば、県内で少しずつ広がる可能性があると期待しています。
  • 県からネットワークが委託されて、こども食堂フェアを実施
  • 初挑戦ではなく2回目でしたが、100名ほどが集まり、数年ぶりに大規模な大会を開きました。ある市で「こどもの権利条例」を制定された元市長にも講演していただきました。
  • フードシェアネットワークと今後連携ができそうというところまでです。
  • 自県にある大学で高校生むけに行われる「体験ミュージアム」で、講師の方がこども食堂のことを取り上げてくださり、県社協としてコメントを話す機会をいただいたこと。
  • 昨年末から今年の正月にかけて、障害者就労施設の共同受注窓口を通じてお菓子を発注し、クリスマスとお正月のプレゼントとして県内のこども食堂に配布し、コロナ騒動で受注の減った障害者施設とこども食堂参加家庭の応援の一石二鳥の取組になりました。
  • 県、団体などとともに、食支援事業を協働で実施するためにたくさんの民間CSOが連携してネットワーク協議会を立ち上げました。
  • 今年度は、コロナ感染症拡大のため、連携した取組等ができませんでした。
  • 地元のスポーツチームが、こども食堂ネットワークを全面的に支援する体制が整ったこと。
  • 若者サポートステーションに通っている若者が、こども食堂にボランティアに行きたいと希望があり、一緒に見学に行ったこと。

 


むすびえ助成プログラム企画・運営への参加についてアンケート

むすびえでは、2020年よりスタートした「こども食堂基金」を皮切りに、日ごろ団体の皆さんから伺うお声をもとに、様々な助成プログラムを実施してきました。そして、ネットワークの皆様のお力添えのおかけで、年間を通じて複数の助成事業を実施できるようになり、2年で延べ1,600弱の団体の方々に助成をさせていただくことができました。 一方で、複数のプログラムを実施しているがゆえ、募集時期が重なってしまったり、年間のスケジュールがわかりづらく資金確保の計画を立てづらい、書類の整理等が大変…などの課題も認識しています。そして、今後より一層、公平性の実現や、刻一刻と変わるニーズへ臨機応変に応じられるよう、助成事業をアップデートしていく必要性も感じています。 そこで、来年度以降、むすびえの助成プログラムの企画・運営に、地域ネットワーク団体の皆さんも参画いただけないかと検討をはじめています。こうした動きについて、皆さんからコメントを伺いました。

むすびえの実施する助成事業に「助成プログラム企画検討会(仮称)」を設置し、助成事業の企画提案等を行うメンバーを募ることを検討しています。「むすびえ助成プログラム企画検討会」への参加に関心がありますか?(※参加メンバーは、中立性・公平性の観点から助成プログラムに応募できないという条件が発生してしまう可能性もありますが、そういったことがないよう、関わり方については検討したいと考えています)

「その他」の内容

 

  • 参加はしたいが今のネットワーク運営上これ以上活動を増やすのは難しい気がする。
  • 関心がないわけではありませんが、企画・運営まで携わることができるかわかりません。
  • 参加は難しい。
  • お手伝いしたい気持ちはありますが、IT能力等ないので難しい。
  • 注意点はありますがいいと思います。

 


「関心はあるが、懸念点がある」と回答した方へお尋ねします。懸念点の内容は具体的にどのようなものですか?

  • どの程度の関与の頻度かにもよりますが、オンラインでの年数回程度の企画打ち合わせであれば、こちらの知見がお役に立てるのであれば関心があります。
  • ネットワーク運営に携わる人員を増やさないと、今はゆとりがない。
  • 大変興味があるのですが、関わることによる負担がどの程度なのかと思っているところです。
  • 人的リソースキャパシティに関する懸念。次年度はさらに事務局体制を強化する予定ですが、まだ確定していないためです。
  • 企画会議等に時間の関係で参加できないと、他の方々にご迷惑をおかけすることがあると思います。
  • 労力的、時間的に参加が難しい感じです。
  • 検討会委員の個人的感情ではなく、公平に見れる人であるかどうかが気になる。委員の選出からの課題。

 


皆さんにお尋ねします。仮に、1回2時間の検討会への参加をご依頼した場合、どのくらいの頻度であれば参加可能でしょうか。来年度のご予定について、感覚値で結構ですので教えてください。

「その他」の内容

 

  • 夜なら大丈夫かもしれません。
  • zoomでの開催なら難しいです。

 


ネットワーク団体で、こども食堂を対象とした助成金事業を実施されていますか?

「その他」の内容

 

  • 企業からの寄付金を希望団体へは分けている。
  • こども食堂だけを対象としているのではなく、居場所を立ち上げる(1年以内に立ち上げた)団体を対象とした助成事業を実施している。

 


「はい」と回答した方へお伺いします。助成金事業を実施するうえでの課題、困難を感じる点があれば教えてください。

  • 助成金事業を行うと応募はあるが、それに伴う領収書などの回収に手間取る。
  • 様々な団体の方に幅広い用途で使用できる助成金を、と考えていますが、個人で実施されているようなスタッフの少ないこども食堂では、助成金は必要としているものの、その事務作業が負担となっているようです。団体の負担を軽減するために、どのような工夫をすればよいか知りたいです。
  • 採択後、実施期間の伴走支援とその後のフォローアップ体制づくりと実践。
  • 本当にニーズに合った助成が出来ているか。
  • 公平性、透明性の確保です。また、申請する方々の負担過重にならないことが、懸念材料です。
  • 金額は一律の配布にしているが、現在閉店中と思われるところも取りに来られるなど。
  • 資金管理(複数の助成金を受けている中での収支管理)
  • 事業の広報。
  • 現在のところは目立った課題や懸念はありません。ありがたいことに、寄付も徐々に集まってはいます。助成原資が十分溜まったら助成する(50万円以上)、という仕組みなので、どうしても不定期になりがちですが、現在はとりあえず1年に1回は助成公募しようということにしました。

 


その他、助成プログラムの実施(むすびえ主催、自団体主催どちらでも)に関連して、コメントがありましたらお寄せください。

  • 当方では、県内5か所の地域の代表的なこども食堂に、審査委員として加わっていただいております。助成審査する側に立って気づくこと、学ぶことがあるとおっしゃっていただいています。支援者層を広げる意味でも、良い取り組みだと思っています。同じ発想でいけば、例えば地方ごとのエリアなどで区切った上で、各県のネットワーク組織に助成審査に加わってもらうなどは良いのかもしれません。
  • 個人的には非常に興味ある内容ですが、ネットワーク内で誰を参加させるのかが悩みどころです。自身の団体運営でいっぱいの中、責任をもって最後までやってくれる方を選ぶのはネットワークとしてしっかりとした説明をしないといけませんので、そのあたりが多少不安材料です。
  • 今年初めて助成金事業を行なったが、最初は応募団体が少なかった。
  • 高額な助成金であればあるほど審査は厳しくて当然だと思う。
  • 助成申請に慣れていない団体が多く、負担にならない様式作成が課題。
  • 一番ベストなのは、安定した月間食材費の配布でなかろうかと思います。

 


転売について

ここ最近、こども食堂に提供した物資や食材がネット上で転売されているという話を耳にするようになってきました。背景には様々な事情があると推測しますが、転売がさらに増えてしまう事によって、ネットワーク団体の皆さんの「もやもや」が増大したり、企業の支援にも影響が出てしまう可能性を心配しています。 むすびえもまずは各地域の状況を教えていただけたらと思い、皆さんがこれまでに「転売に関して聞いたりしたこと」や「転売を防ぐ対策などの取組や工夫」についてお聞きしました。

物資支援分野において寄贈物資(食材、容器等)が転売されている問題を知っていましたか?


寄贈物資(食材、容器等)の転売問題をどのように捉えていますか?

  • 渡したその先まで管理できない。個人の道徳心に委ねるしかない限り、起こりえる事だと考える。
  • 性善説が大前提なのに、その根底が崩れてしまう。提供する側としては、追跡するのに限界を感じる。
  • 普段見たことはないが、食料配布の活動が広がるほど転売のリスクも高まっていると思われます。また、例えば容器の転売となると、運営者がやった可能性もあって少なからずショックです。
  • あってはならない事。継続した支援の妨げとなると考えます。
  • 企業からの支援に悪い影響が出てしまうだろうと懸念されます。
  • 寄贈物資の転売はあってはならないことだと思います。企業や個人はこども食堂で使ってくれるからこそ渡しがいがあると思ってくれています。あと、賞味期限を切らしてしまうこともよくないと思っています。
  • 提供先からの信頼を損ねるため、絶対に行わないでほしい。注意喚起等について、今まで行ってきたことはないが今後必要であれば対処を考える必要があると思う。
  • 寄贈者の理解が得られなくなるのでしないでほしい。
  • 運営資金に窮してのことだと思いたいが、寄贈いただいた方(団体)のご厚意に反する行為だと思う。
  • ネット上で売るという感覚は常識としてはあり得ないと思います。ただそれが実際起こっているとすれば、たとえば容器は山ほどある→地域のこども食堂に聞くと要らないといわれる→置いておく場所がない一方、食材費には困っている→売って現金化しよう、ということかなと想像します。(私の食堂でも寄付の品を置く場がなく、箱を積み上げて保存せざるを得ないことがあります。結果、肩を痛める、腰を痛めるということが起こりました)
  • こども食堂事業に充てる等、目的や背景があるのかもしれませんが、支援者の意向に反する行為は問題です。こども食堂に対する世間の認識や評価への影響が心配されます。
  • 支援物資の転売問題はすでに数年前から話に出ています。ネットワークの基本的な考え方としては、転売は絶対にやめてもらいたいのは当然ですが、数あるフリーマーケットサイトは匿名性という事もあり完璧に防ぐのは難しいという判断です。従って、対応策としてはとにかく利用者の皆様に注意喚起を徹底することでお願いするというのが基本線になります。転売禁止のチラシを作成し、寄贈品と一緒に配ってもらったり、利用者にお渡しするときに「転売しないでね」と声掛けするなどの対応をしています。
  • 追跡、証拠はわからないが、転売を疑う話は聞きます。フードバンクではマジックで日付けを書いたり、段ボールは開封しておく。パントリーでは同意書を記入してもらう。「転売禁止」と張り紙をする。など工夫しています。ある意味、物に溢れているのかも。こども食堂でそんなに豪華にする必要あるかな?自団体に合うレベルで、時には少し贅沢に…くらいでいいようにも思っています。
  • 地域でもお米券をボランティアで買い取ってその資金を運営費に回している、と聞いています。それは妥当な解決策ではないかと思います。

 


貴団体の物資支援活動において転売されていたことはありますか?


「ある」と答えた方は、把握している件数も教えてください。

※該当する回答者はいませんでした。


寄贈物資(食材、容器等)の転売を防ぐ対策をしていますか?


「対策をしている」と答えた方は、どのような対策をしていますか?

  • 「支援者の皆さんからもらっている物資です。転売禁止。」と紙をはさんでいる。
  • 食品や物品の寄贈仲介を行う際には、必ず以下の一文を掲載するようにしています(県と協議のうえ、文章を作成)。ただし、これで完全に転売を防ぐことはできないと思いますが、組織としての意思表示にはつながります。「ご厚意でいただくものとなります。飲食店における営利目的など、寄贈趣旨以外の用途での使用、関係者以外への譲渡や転売などは固くお断りいたします。開催実態を確認するため、開催計画や運営状況がわかる資料や写真の提出などをお願いする場合がございます。予めご了承の上、お申込みください。なお、提出にご協力いただけない場合は、寄贈のご案内などを停止させていただきます。」
  • こども食堂に渡したとき、転売しないなどの「同意書」をもらっている。またフードパントリーなどで渡した個人が売らないよう呼びかけをしている。
  • 受領書に、「私は転売を致しません。」云々と言った文言を挿入し、署名してもらっている。
  • 転売禁止のチラシと共に物資を配っています。また、転売禁止のお声掛けをしてお渡ししています。
  • 申込みフォームに「転売しない事に同意する」という問いを設定し、同意しない場合には応募できない状況に設定している。
  • 転売防止のPOPの掲示。

 


「対策をしていない」と答えた方で、現在検討している方は、検討中の対策方法をお教えください。

  • 特別な対策ではなく、こども食堂にとって食事や食料配布はあくまで手段であり、ただ「作る・食べる」「配る・もらう」という関係に陥らず、しっかりと顔の見える信頼関係を築くことが、転売のような背信行為の抑止力になると思います。
  • 転売防止の対策ではないのですが、支援物資の活用報告(画像など)をいただくようにしています。
  • まだ、検討していませんが、必要があれば転売についての調査をしてみます。